記事一覧

【特集】二重礼拝堂のしくみ -社会的ヒエラルキーの可視化-

ヨーロッパのお城には必ずといっていいほど礼拝堂が付いています。その礼拝堂にも、様々な形態があります。なかでも支配者の居住地にありがちな礼拝堂の例として、二重礼拝堂(Doppelkapelle)を挙げることができるでしょう。現在でも二重礼拝堂を見学できるお城があります。それは、ニュルンベルクの皇帝城(Kaiserburg)です。皇帝城はその名の通り神聖ローマ帝国皇帝のお城。二重礼拝堂は、非常に地位の高い貴族の城郭にしばし...

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つれづれ 美術館のお仕事とは?

↑ミュンヘン・アルテピナコテーク。デューラーの作品など、前近代の有名な美術品が揃っています。こんにちは。昨年は東京で半ばフリーランスのように城郭研究家として活動していましたが、今年は2月から地元の美術館の学芸員として働かせてもらっています。気持ち新たにがんばりたいと思います。そこで、雑談になりますが美術館のお仕事を簡単に紹介します。美術館で座って監視している人は学芸員ではない一般の方々に知ってもらい...

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バンベルク思い出話 その3 パワポ禁止な美術史・建築史のゼミ

ドイツで城郭研究をけん引する、ニュルンベルクのゲルマン国立博物館館長にして国際美術史学会会長のウルリヒ・グロースマン教授に誘われ、彼が非常勤講師を務めるバンベルク大学にやってきました。その時の様子などをご紹介します。パワポ禁止ゼミ日本だとふつう工学部に組み込まれている建築史学は、ヨーロッパでは美術史学科の一部門になっています。グロースマン教授は美術史や考古学を専攻し(ドイツでは複数の専攻を持つのが...

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【書評】ハインリヒ・プレティヒャ著、平尾浩三訳、『中世への旅 騎士と城』、白水社

ハインリヒ・プレティヒャ著、平尾浩三訳、『中世への旅 騎士と城』、白水社大学2年生の時、ドイツのお城について何か参考書がないかと図書館を調べると、1982年に刊行された古い本が見つかりました。それがこの『中世への旅 騎士と城』でした。当時はお堅い専門書を読んでもすぐにちんぷんかんぷんになっていたのですが、それにひきかえこの本はとても読みやすく、中世世界に対するイメージも膨らんでいきました。最近になって...

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マイセン・アルブレヒト城 ―ヴォールトの「線の熱狂」―

ドイツ城郭・城館研究ブログ、2017年スタート。今年もよろしくお願いします!今回のテーマはマイセンのアルブレヒト城(Albrechtsburg)。マイセンといえば陶器で有名な町。アルブレヒト城はそんなマイセンの町のど真ん中にそびえる大きなお城です。場所はポーランドにほど近い元東独のドレスデンから電車で30分のところに位置しております。15世紀に銀山の開発で利益を得たヴィッティン家はマイセンの城山を占領し、ここを拠点に...

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ミュンヘン思い出話 その9 年末年始

日本では大晦日に除夜の鐘が鳴りますが、ドイツではどうなのでしょうか。最初はてっきり教会の鐘が鳴るのかと思いましたが(確かに鳴っていた気もするが)、実は年が明けた瞬間花火の音しか聞こえません。こちらが寮のベランダからみたミュンヘン・ニューイヤー2011の様子。街中で打ち上げ花火が鳴り響き、まるで戦争が起きたかのようでした。夜が明け、ドイツ人の友人から「正月に一人だなんて」といわれ、ミュンヘン郊外のイベン...

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【特集】中世城郭の特徴的な加工石 盾状角石

中世に建設された城郭で現存するものは、たいていの場合、度重なる増改築や修復を経験しています。そのため、本当に中世に構築された部分を見極めるのは困難です。ここでは、少しでも本物の中世を感じるためのポイントを紹介します。今回の注目ポイントは石の加工状態です。中央ヨーロッパでは、石造の城郭が11世紀以降にたくさん建造されていきました。当時、石の壁を築くのに無加工の荒石がよく使用されていました。一方で、城主...

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フランケンの結婚式料理

ドイツ・バイエルン州の北側に位置するフランケン地方。温暖な気候と豊かな自然に包まれたこの地方にはおいしいものがいっぱいです。ビールもうまいしワインもうまい。そして、郷土料理もなかなか独特です。今回は、その中でも印象的だったフランケンの結婚式料理(Fränkische Hochzeitsessen)をご紹介します。平たくてもちもちした手打ちの極太パスタにパン粉のようなものがかかっています。これにやわらかい牛肉が付いており、...

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カドルツブルク城 ―ブルクシュロス(城郭城館)と呼ばれる混合型―

またまたあまり知られていないお城・カドルツブルク城(Cadolzburg)をご紹介したいと思います。都市カドルツブルクは、ニュルンベルクの隣町フュルト(Fürth)からローカル電車で行くことができます。終点カドルツブルクまで20分あまり。ずいぶんと短い路線です。カドルツブルクの建物は、壁の色が少し暗めでハーフティンバーが組まれています。落ち着いていて静かな町でした。落ち着きのある町ですが、中心部まで歩いていくと、...

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札幌 のびのび日記

↑ミュンヘンクリスマス市(本物)の様子東京で大方目標を達成し、故郷札幌に戻ってまいりました。雪が降り積もっています。札幌では現在、大通り公園でミュンヘンクリスマス市が開催されています。規模は小さいですが、本場さながらの雰囲気を味わうことができます。実は、札幌はミュンヘンと姉妹都市。札幌民の間では有名で、ミュンヘンに親近感を持っています。ところが、ミュンヘンの人にそのことを話すと、全員から「知らなか...

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【活動報告】ドイツ・ルネサンスの芸術と城館・宮廷文化

↑ドイツのルネサンス~ロココ建築にみられる切妻の図。(出典:Barbara Borngässer / Rolf Toman / Achim Bednorz: Architektur der Renaissance, Hamburg, 2008.)本日、毎日文化センター東京教室で一日講座「ドイツ・ルネサンスの芸術と城館・宮廷文化」が開催されました。寒い中ご参加された皆様にお礼申し上げます。講座では、ルネサンスの芸術と建築の基本的なことから説明し、それをふまえてドイツ・ルネサンスの特質を世界...

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【書評】アフロ(写真)、水野久美(文)、『世界の天空の城 歴史ロマンあふれる夢想風景』、青幻舎

アフロ(写真)、水野久美(文)、『世界の天空の城 歴史ロマンあふれる夢想風景』、青幻舎お城仲間である水野久美さんが新しいお城本を出版されることになったので、ご紹介します。2016年11月25日新刊です。コンセプトは天空の城!空中に浮かび上がる壮大な建造物と、それを取り巻く大自然。迫力があって幻想的な写真が盛りだくさんです。解説文が短いですが、歴史背景に加え、映画のロケ地やモデルとして利用された経歴を多数紹...

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ノイシュヴァンシュタイン城 中世らしさはどこにあるのか

ドイツで最も有名なお城といえば、ノイシュヴァンシュタイン城(Neuschwanstein)。今回は、城郭史的にみたこのお城の位置づけを検討してみたいと思います。By Softeis (Own work) [GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html) or CC-BY-SA-3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/)], via Wikimedia Commonsノイシュヴァンシュタイン城の概要とロマン主義的な背景ノイシュヴァンシュタイン城の概要については、様...

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ミュンヘン思い出話 その8 日本学科(ヤパノロギー)

ミュンヘン大学には日本学科(ヤパノロギー)があり、周辺国からも学生が集まるほど有名です。ヤパノロギーがあるおかげで、簡単に日本に興味のある学生を見つけることができます。(逆にバンベルク大学にはヤパノロギーがなかったので、結局日本好きとは知り合えなかった・・)ミュンヘン大学日本学科主催のカラオケ大会の様子彼らはなぜ日本に興味を持っているのか?ヤパノロギー専攻の動機について話してみると面白いです。一番...

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ヴァルトブルク城 ―ドイツ宗教改革の舞台― その2

ヴァルトブルク城本館の祝祭用広間(19世紀の再現)ヴァルトブルク城にまつわる歴史ヴァルトブルク城の創設についてはこんな伝説があります。テューリンゲン方伯ルートヴィヒ・デア・シュプリンガー(~1123年)が、ある時、200mもの高さを誇る山をみるなり「待て(wart)、汝我が城(Burg)となれ」と叫んだため、城郭が建設されたというのです。当然これはあくまで伝説のため、本当かどうかはわかりません。城郭の建設は1067年で...

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プロフィール

Author:Ume
ドイツのお城を専門に研究している珍しい人。歴史・美術史を専攻、修士(文学)。筆者についてはこちらもご覧ください。Facebookページはこちら。講演・執筆依頼など、メールフォームやコメント欄から気軽にご相談ください。
ブログのロゴが付いた写真は筆者自らが撮影したものです。無断転載・加工はご遠慮ください。

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