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ホルンベルク城 ―鉄腕ゲッツゆかりの古城ホテル―

「さて、わしはホルンベルク城を買った残金二千グルデンを、まだコンラート・ショット殿に借りたままになっており、聖ペテロの日[六月二十九日]にシュヴァインフルトで支払う約束になっていた。わしはその金を決められていた日にショット殿の奥方に支払って、受領証もちゃんと貰った。それから広場を横切って宿に行こうとしたとき、辺境伯の主馬頭様とばったりお会いした。主馬頭様は(中略)こう注意された。自分は今日シュヴァインフルトの近くで六十騎ほどの騎馬武者に出くわしたが、気をつけられるがよろしい。というのも、貴公を狙っていることがわかったからだ。・・・」
―ゲッツ・フォン・べルリヒンゲン著、藤川芳郎訳『鉄腕ゲッツ行状記』、白水社、2008年、150-151頁。



これはゲッツ自身の回想録で述べられた出来事で、1517年のことでした。
ゲッツはこの後、コンラート・ショットの罠をかいくぐり、無事帰還。翌年にコンラートとの争いに勝利します。
以後、彼は死ぬまでこのホルンベルク城を居城としました。

horn2.jpg
現在のホルンベルク城。ゲッツが住んでいた頃の形を留めています。

ゲッツは、多くの騎士たちが没落した中世の末期において、各地を転戦して奮闘した騎士でした。
といっても、やっていることはほとんど盗賊のようですが・・。
実際、自分から相手を襲っておいて身代金を要求するようなことを繰り返していました。

ゲッツはある日、戦いのさなかで片方の腕をなくしてしまいました。
一時は意気消沈するも、よくできた鉄の義手を得て、再び騎士として暴れまわりました。

そんな彼の様子を、後にヴォルフガング・ゲーテが戯曲化したことで人気が爆発。
現在でも、彼は勇敢な(暴れん坊)騎士として知られています。
Burg Hornberg 2015-10-02
By Aerial video capture (Own work) [CC BY-SA 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)], via Wikimedia Commons

ゲッツが後半生を過ごしたホルンベルク城は、ドイツ南部のネッカー川沿いの斜面に立っています。
11世紀頃から存在した城郭ですが、所有者がころころ変わっており、中世末期にはショット家が住んでいました。
ショット家は15世紀に居住館(上の写真の左側、主塔のとなり)を増築していきました。
現在は主塔と居住館を中心とする本丸はほぼ廃墟となっていますが、見学することはできます。
そして、この本丸の外側(写真の右側)の前城は、もともと厩や作業小屋でしたが、現在はホテルとなっております。
しかもここではネッカーツィンメルン・ワインが生産されており、現在はお城専用ワイナリーがあります。

horn1.jpg
ネッカー川を一望できるパノラマレストランで、濃厚なご当地ワインと、ラムステーキをいただきました(写真は前菜のパテだよ)。
思えば、ここで飲んだワインが今まで飲んだワインのなかで一番でした。

また飲みたいなあ・・・と思って東京のドイツワイン関係者に聞いたところ、ネッカーツィンメルンのワインはずっと前に日本でも流通していたが、現在はほぼ底がつき、もう輸入されていないとのこと。残念、幻のワインですね。
イタリアやフランスのワインばかりがもてはやされている昨今ですが、ドイツワインもおいしいんですよ。もっと盛り上げていきましょう。

この古城ホテルでは、結婚式を挙げることもできるようです。天気がよければ最高のロケーションでしょう。
鉄腕ゲッツゆかりの品と城郭を眺めながら、ゆっくり過ごしたい場所です。

ホテル・ホルンベルク城公式サイトはこちら(英語またはドイツ語)。

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ゲッツ・フォン・べルリヒンゲン著、藤川芳郎訳『鉄腕ゲッツ行状記』、白水社




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